大判例

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東京高等裁判所 昭和46年(ネ)1625号・昭46年(ネ)1133号 判決

二、進んで被控訴人らの当審における新請求について考える。

成立に争いのない甲第三〇号証および弁論の全趣旨によれば、控訴人が本件控訴を提起した結果、被控訴人らは弁護士たる被控訴代理人に応訴を依頼し、手数料ならびに成功報酬として、被控訴人石原きよは一五万円、同有山君子は一〇万三、八〇〇円、同石原正一は六万四、五〇〇円をそれぞれ支払うことを約したことが認められるが、当審における本訴の経緯に鑑みると、本件事故による損害賠償として控訴人に負担させる弁護士費用としては、被控訴人きよについては七万円、同君子については五万円、同正一については三万円と認めるのが相当である。

次に被控訴人らは、原判決で認容された原審の弁護士費用に対する原判決言渡後の遅延損害金の支払を請求するが、このような遅延損害金が被控訴人らの受けた損害というためには、被控訴人らにおいてすでにその弁護士費用を支払ずみであるかもしくは法律上その遅延損害金の支払義務が確定し現在化していることを要するものと解すべきところ、本件において、右弁護士費用が未だ支払われていないことは被控訴人らの自陳するところであり、またその遅延損害金の支払義務が確定し現在化していると認めるべき証拠はない。けだし、債務不履行による遅延損害金支払義務は、基本債務の履行期を徒過することによって発生すべきものであるが、基本債務たる本件原審弁護士費用の支払期日は原判決の言渡により当然に到来するものということはできず、その支払期日につき被控訴人らとその訴訟代理人との間に特段の約定がなされたことについての主張立証はなく、また、右代理人から被控訴人らに対する右弁護士費用およびその遅延損害金の支払請求がなされたことを窺うに足りる資料もないからである。

以上により被控訴人らの控訴人に対する請求は、被控訴人石原きよについては七万円、同有山君子については五万円、同石原正一については三万円の限度で正当であるが、その余は失当といわなければならない。

(菅野 渡辺 小池)

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